マンションで光回線を使っているのに「遅すぎる」と感じている方は少なくありません。戸建てに住んでいる知人は快適に使えているのに、なぜ自分のマンションだけこんなに遅いのかと悩む方も多いです。
実は、マンションの光回線が遅いのには明確な原因があります。この記事ではその原因と、具体的な改善方法をわかりやすく解説します。
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マンションの光回線が遅い3つの根本原因
原因1:配線方式がVDSLの場合、最大100Mbpsの壁がある
これがマンション回線の遅さの最大の原因です。マンションの光回線には主に3つの配線方式があります。
- 光配線方式:各部屋まで光ファイバーケーブルを引き込む方式。最大1Gbps〜10Gbps。最速です。
- LAN配線方式:共用部まで光ファイバー、各部屋まではLANケーブル。最大1Gbps。
- VDSL方式:共用部まで光ファイバー、各部屋まではメタル線(電話線)。最大100Mbps。
築年数の古いマンション(2010年以前に建てられたもの)はVDSL方式が多い傾向にあります。電話線を流用しているため、どんなに高性能なルーターを購入しても物理的に100Mbpsを超えられません。


原因2:回線を全世帯で共有している
マンションタイプの光回線は、建物に引き込まれた1本(または数本)の光ファイバーを全世帯で共有しています。100世帯のマンションなら100世帯で帯域を分け合う仕組みです。
夜のゴールデンタイムに入居者が一斉に動画を視聴したりゲームをプレイしたりすると、速度が落ちます。同じマンションでも平日の昼間と夜21時では体感速度がまるで違うことがあります。これは構造的な問題のため、個人の努力だけでは限界があります。
とはいえ、本当に共有部分が原因なのかを確かめるには、まずパソコンを有線でつないで測ってみるのが確実です。このときLANケーブルがカテゴリ5eなど古い規格だと、ケーブル側がボトルネックになって正しく切り分けられません。
原因3:マンション内のネットワーク機器が古い
マンションのMDF室(通信機器が設置されている共用部分)にある集合装置やハブが古いと、それがボトルネックになることがあります。管理組合や管理会社に確認してみる価値はあります。
マンションでの配線方式の確認方法
まずは自分のマンションがどの配線方式なのか確認しましょう。確認方法は以下のとおりです。
- 壁のコンセントを見る:光コンセント(SC型やLC型)があれば光配線方式。電話用のモジュラージャック(RJ-11)ならVDSL方式の可能性大。LANポート(RJ-45)ならLAN配線方式です。
- ONU/モデムの型番を確認:NTTから届いている機器が「ONU」なら光配線方式、「VDSLモデム」ならVDSL方式です。
- NTTに問い合わせる:確実に知りたいなら、NTTのフレッツ光サポートに電話するのが一番早い方法です。
壁のコンセント形状を見るだけで、おおよその配線方式がわかります。光コンセントが付いていれば光配線方式の可能性が高いです。
配線方式別の改善策
VDSL方式の場合の改善策
VDSL方式は根本的な速度アップが難しいですが、いくつか対策があります。
1. IPv6 IPoEに切り替える
VDSLの100Mbps制限は変わりませんが、IPv6にすることで夜間の速度低下をかなり抑えられます。100Mbpsの上限に近い速度が安定して出るようになることが多く、夜間の速度が20Mbpsから90Mbps近くまで改善した事例もあります。
2. 戸建てタイプの光回線を個別に引く
マンションでも、管理組合の許可が取れれば戸建てタイプの光回線を自分の部屋に直接引ける場合があります。特に低層階(3階以下)なら対応してもらえることが多いです。NURO光の戸建てプランはマンションでも7階建て以下なら申し込めるケースがあります。


3. NURO光 for マンション(NURO光 M2T/M2D)を導入する
マンション内の希望者を集めて、NURO光のマンション向けプランを導入する方法もあります。光配線方式で最大2Gbpsのため、VDSLとは次元の違う速度が出ます。ただし、同じマンション内で一定数の申し込みが必要です。



4. ホームルーターやモバイル回線で補完する
5G対応のホームルーター(ドコモ home 5GやWiMAXなど)を追加で契約して、メインの通信はそちらで行うという方法もあります。5Gエリア内であれば、VDSLより速い場合も多いです。
この方法なら管理組合の許可も配線工事も必要ありません。ドコモ home 5Gは月額5,280円にISP料金が含まれ、工事費は0円。契約事務手数料4,950円もドコモオンラインショップからの申し込みなら無料です。VDSLの100Mbpsの壁に当たっている方が、建物側に手を入れずに速度を変えられる数少ない手段です。
スマホがドコモ回線であれば、home 5G セット割で永年最大1,210円/月の割引も受けられます。端末(HR02)の購入は別途必要です。



光配線方式・LAN配線方式の場合の改善策
1. IPv6 IPoEに切り替える
光配線方式でも、IPv4 PPPoEのままだと夜間に速度が落ちることがあります。IPv6に切り替えるだけで、夜でも数百Mbpsの速度が安定して出るようになることが多いです。
今のプロバイダがIPoEに対応していないなら、対応済みのところへ移るのが早道です。GMOとくとくBB光はv6プラスが標準装備で、対応WiFiルーターの無料レンタルも付きます。マンションタイプは月額4,290円(税込)のプロバイダー料込みで、契約期間の縛りがなく解約違約金も0円。すでにフレッツ光や他の光コラボが入っているマンションなら、転用・事業者変更で工事費もかかりません(支払いはクレジットカードのみ)。



2. WiFiルーターをアップグレードする
光配線方式で1Gbps来ているのに、古いルーターを使っていてはもったいないです。WiFi 6以上に対応したルーターに買い替えましょう。記事執筆時点ならWiFi 7対応ルーターもおすすめです。
3. メッシュWiFiを導入する
広い部屋や間取りが複雑なマンションだと、1台のルーターでは電波が届きにくい場所があります。メッシュWiFiシステムを導入すれば、部屋中どこでも安定した速度が出るようになります。


管理組合への働きかけも大事
マンション全体のインターネット環境を改善するには、管理組合への提案が有効です。以下のような内容を提案してみましょう。
- VDSL方式から光配線方式への切り替え工事(NTTに依頼可能)
- 共用部のネットワーク機器の更新
- マンション一括型のインターネットサービスの導入
NTTでは、マンションのVDSLから光配線方式への切り替え工事を行っています。フレッツ光のマンションタイプ案内ページ(flets.com)で詳細を確認できます。
ドコモhome 5Gの評判については以下の記事で詳しくまとめています。



マンションでも使える高速回線の選択肢
マンションでも申し込める高速回線をいくつか紹介します。
- NURO光 for マンション:最大2Gbps。マンション内の利用者数によって月額3,850円(9月〜4,235円)。
- auひかり マンションタイプ:建物の設備によって異なりますが、タイプGなら最大664Mbps。
- ドコモ光 マンションタイプ:フレッツ光の設備を使用。光配線方式なら最大1Gbps。
- ソフトバンク光 マンションタイプ:同じくフレッツ光ベース。IPv6高速ハイブリッドで安定。






実際の速度はみんなのネット回線速度で各回線のマンションタイプの実測値を確認できます。
このうちソフトバンク光は、IPv6高速ハイブリッドによって夜間の混雑を避けられるのが持ち味です。マンションタイプの月額は4,180円で、ソフトバンク/ワイモバイルのスマホがあれば「おうち割 光セット」の対象になります。いま契約中の回線に解約金が残っていても、他社の違約金を最大10万円まで負担する「あんしん乗り換えキャンペーン」が使えます。
なお、ソフトバンク光は2026年12月1日から一律330円の料金改定が予定されており、改定後はマンション4,510円・戸建て6,050円になります。乗り換えを考えているなら時期も見ておきましょう。



独自回線(NURO光・auひかり)はフレッツ光系と比べて混雑しにくいため、マンションでも安定した速度が出やすい傾向があります。
ただし回線を変えても、間取りが複雑で電波が届かない部屋の問題は残ります。先ほど触れたメッシュWi-Fiは、こうした「部屋によって速度が違う」タイプの悩みに向いた構成です。
速度測定のやり方と目安
改善策を試す前後で速度を測定して、効果を確認しましょう。
- 下り50Mbps以上:動画視聴やWebブラウジングは快適
- 下り100Mbps以上:ほとんどの用途で不満なし
- 下り300Mbps以上:複数デバイスの同時利用でも快適
測定はできれば有線接続で行うのがベストです。WiFi経由だとルーターの性能に左右されて、正確な回線速度がわからないためです。速度測定にはSpeedtest by Ooklaが便利です。


まとめ
マンションの光回線が遅い場合、まずは配線方式を確認しましょう。VDSL方式なら物理的な限界があるため、戸建てタイプの光回線を引くか、5Gホームルーターの導入を検討するのがおすすめです。
光配線方式やLAN配線方式なら、IPv6への切り替えとルーターのアップグレードでかなり改善する可能性が高いです。管理組合への働きかけも視野に入れつつ、できることから試してみてください。
マンション住まいだからといって快適なネット環境を諦める必要はありません。選択肢は意外とたくさんあります。マンション向け光回線の詳しい比較も参考にしてみてください。
※記事執筆時点での情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。



