3階建て住宅にお住まいの方から「1階に置いたルーターの電波が3階まで届かない」「階を移動するたびにWiFiが切れる」といった悩みを聞くことは非常に多いです。3階建て住宅は縦方向に長い構造のため、一般的な2階建てと比べてWiFiの電波が行き渡りにくいという特有の課題があります。
しかし、ルーターの設置場所や機器の選び方を工夫するだけで、3階建てでも家じゅう快適なWiFi環境を構築することは十分に可能です。この記事では、3階建て住宅でWiFiが届かなくなる原因を分析したうえで、中継器・メッシュWiFi・有線バックホールなど具体的な対策を詳しく解説していきます。

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3階建て住宅でWiFiが届きにくい原因
まずは、なぜ3階建て住宅ではWiFiの電波が不安定になりやすいのかを理解しておきましょう。原因を正しく把握することが、適切な対策を選ぶ第一歩です。
床や天井による電波の減衰
WiFiの電波は、壁や床を通過するたびに弱くなります。特に鉄筋コンクリート造(RC造)の床は電波を大幅に減衰させるため、1階のルーターから3階まで電波を届けるのは構造的に困難です。木造住宅であってもフローリングの下地材や断熱材が電波を遮ることがあります。
垂直方向の距離が長い
WiFiルーターの電波は全方向に放射されますが、一般的なルーターは水平方向への伝搬が得意で、垂直方向(上下)への到達距離は短くなりがちです。3階建て住宅では1階から3階まで約7~9メートルの垂直距離があり、途中の床を2枚貫通する必要があるため、電波強度が大きく低下します。
間取りや建材の影響
3階建て住宅は狭小地に建てられることも多く、各フロアの間取りがコンパクトで階段の位置が端に寄っている場合があります。このような間取りでは、電波が階段を通じて上下に伝わりにくくなります。また、床暖房のアルミシートや鉄骨の柱なども電波を遮る原因になります。
| 建材・構造 | 電波の減衰レベル | 影響度 |
|---|---|---|
| 木材(壁・床) | 小~中 | 比較的通りやすい |
| 石膏ボード | 小 | ほぼ問題なし |
| コンクリート | 大 | 大幅に減衰 |
| 鉄骨・鉄筋 | 大 | 大幅に減衰 |
| 断熱材(グラスウール等) | 中 | 素材により異なる |
| 床暖房(アルミシート) | 大 | 電波を反射して遮断 |
鉄筋コンクリート造の3階建て住宅では、各フロア間の電波減衰が非常に大きくなります。この場合、ルーター1台だけで全フロアをカバーするのは現実的ではなく、中継器やメッシュWiFiの導入がほぼ必須と考えてください。
対策1:ルーターの設置場所を最適化する
最もコストをかけずにできる対策が、ルーターの設置場所を見直すことです。置き場所を変えるだけで電波状況が劇的に改善するケースは少なくありません。
2階に設置するのが基本
3階建て住宅でルーターを設置する最適な場所は2階の中心付近です。建物の真ん中に置くことで、1階と3階の両方に均等に電波を届けられます。1階や3階の端に置いてしまうと、反対側のフロアに電波が届きにくくなります。
高さ1~2メートルの位置に設置する
ルーターは床に直接置くのではなく、棚の上や壁掛けなどで1~2メートルの高さに設置するのが理想的です。床に置くと電波が床材に吸収されやすく、上下方向への到達距離が短くなります。
階段の近くに設置する
階段は上下の空間がつながっている唯一の場所です。階段の近くにルーターを設置することで、電波が階段を通じて他のフロアに伝わりやすくなります。
ルーター設置場所の最適化チェックリスト
- 2階の中心付近に設置しているか
- 床から1~2メートルの高さに置いているか
- 電子レンジや冷蔵庫などの家電から離しているか
- 金属製の棚やラックの中に入れていないか
- 水槽や花瓶など水の近くに置いていないか
対策2:WiFi中継器を導入する
ルーターの設置場所を最適化しても電波が届かないフロアがある場合は、WiFi中継器の導入を検討しましょう。
中継器の仕組みと効果
WiFi中継器は、ルーターからの電波を受信し、増幅して再送信する機器です。ルーターと電波の弱いエリアの中間地点に設置することで、電波の到達範囲を拡大できます。コンセントに差すだけの小型タイプであれば、3,000円~5,000円程度で購入可能です。
3階建て住宅での中継器の設置場所
ルーターが2階にある場合、1階と3階にそれぞれ中継器を1台ずつ設置するのが効果的です。設置場所は、ルーターの電波がまだ十分に届く範囲内(廊下や階段の踊り場など)が適しています。電波が極端に弱い場所に置いても、中継するための元の電波が弱すぎて効果が出ません。
中継器のデメリット
中継器にはいくつかのデメリットもあります。まず、中継のたびに通信速度が最大で半減する点が挙げられます。また、ルーターと中継器で別々のSSID(ネットワーク名)になることがあり、フロアを移動するたびに手動でWiFiを切り替える必要が生じるケースもあります。

対策3:メッシュWiFiを導入する(最も効果的)
3階建て住宅のWiFi対策として、記事執筆時点で最も効果的とされているのがメッシュWiFiシステムの導入です。
メッシュWiFiとは
メッシュWiFiは、メインルーター(親機)と複数のサテライトユニット(子機)を組み合わせて、家全体を1つのWiFiネットワークで網羅するシステムです。中継器との最大の違いは、すべてのユニットが同じSSIDで統一されるため、フロアを移動しても自動的に最適なユニットに接続先が切り替わる(ローミング)点です。
メッシュWiFiと中継器の比較
| 項目 | WiFi中継器 | メッシュWiFi |
|---|---|---|
| 価格 | 3,000円~5,000円/台 | 15,000円~40,000円/セット |
| 通信速度 | 中継のたびに低下 | 速度低下が少ない |
| SSID | 分かれることがある | 全ユニット統一 |
| ローミング | 手動切替が必要な場合あり | 自動でシームレスに切替 |
| 管理のしやすさ | 個別に設定が必要 | アプリで一括管理 |
| 拡張性 | 台数を増やすと不安定になりやすい | ユニット追加で柔軟に拡張可能 |
3階建て住宅におすすめのメッシュWiFi構成
3階建て住宅では、メインルーターを2階に設置し、1階と3階にサテライトユニットを1台ずつ配置する3台構成が基本です。EasyMesh対応の製品であれば、異なるメーカーの機器同士でもメッシュネットワークを構築できるため、将来の拡張時にも柔軟に対応できます。
メッシュWiFiの詳しい仕組みについては、eo光のメッシュWiFi解説ページでも分かりやすくまとめられています。
3階建て住宅でのメッシュWiFi設置のコツ
- メインルーターは2階に設置(上下に均等に電波を配分)
- サテライトユニットは各フロアの中心付近に配置
- ユニット間の距離が離れすぎないよう注意(目安:直線距離で10m以内)
- 有線バックホール対応モデルなら、LANケーブルで各ユニットを接続すると最大の安定性
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対策4:有線LANの併用で安定性を最大化する
WiFiだけに頼らず、有線LANを併用することで通信の安定性を飛躍的に高める方法もあります。
有線バックホールの活用
メッシュWiFiの各ユニット間をLANケーブルで有線接続(有線バックホール)すると、ユニット間の通信が無線ではなく有線で行われるため、速度低下がほぼ発生しません。新築やリフォーム時に各フロアにLANコンセントを設置しておくと、後から非常に便利です。
PLCアダプターの活用
LANケーブルの配線が難しい場合は、家庭の電気配線(コンセント)を利用してネットワークを構築するPLCアダプターという選択肢もあります。コンセントに差すだけで使えるため、配線工事が不要です。ただし、電気配線の状態や分電盤の構成によっては速度が出にくい場合もあるため、環境との相性を確認する必要があります。

対策5:回線そのものを見直す
WiFi機器の対策に加えて、インターネット回線そのものを見直すことも重要です。いくらWiFi環境を整えても、元の回線速度が遅ければ快適なネット環境にはなりません。
IPv6(IPoE)対応の光回線を選ぶ
光回線を利用している場合、IPv6(IPoE)接続に対応しているかどうかで実効速度が大きく変わります。従来のIPv4(PPPoE)接続は回線の混雑時に速度が低下しやすいのに対し、IPv6(IPoE)は混雑を回避する経路を使うため、夜間や休日でも安定した速度が期待できます。
回線速度のチェック方法
自宅のインターネット回線の実効速度を計測するには、ブラウザで速度テストサイトにアクセスするのが簡単です。WiFiではなく、ルーターに直接LANケーブルを接続した状態で計測すると、回線そのものの速度がわかります。下り100Mbps以上出ていれば、一般的な用途には十分な速度です。
光回線の速度に関する実測データは、みんなのネット回線速度(みんそく)で各回線の平均速度を確認できます。
3階建て住宅の状況別おすすめ対策まとめ
ここまで紹介した対策を、状況別に整理しておきましょう。
| 状況 | おすすめ対策 | 予算目安 |
|---|---|---|
| まだ何も試していない | ルーターの設置場所を2階中心に移動 | 0円 |
| 設置場所は最適だが電波が弱い | WiFi中継器を導入 | 3,000円~5,000円 |
| 快適に使いたい・家族が多い | メッシュWiFi(3台セット)を導入 | 15,000円~40,000円 |
| テレワークやゲームで安定性重視 | メッシュWiFi+有線バックホール | 20,000円~50,000円 |
| 回線速度自体が遅い | IPv6対応の光回線に乗り換え | 工事費実質無料のサービスあり |
3階建て住宅のWiFiに関するよくある質問(Q&A)
Q. ルーター1台で3階建て全体をカバーできますか?
木造住宅であれば、高性能なWiFi6ルーターを2階の中心に設置することで3フロアをカバーできる場合もあります。ただし、鉄筋コンクリート造や床暖房がある住宅では1台でのカバーは難しく、中継器やメッシュWiFiの導入が必要です。
Q. メッシュWiFiのサテライトユニットは何台必要ですか?
3階建て住宅であれば、メインルーター1台+サテライト2台の合計3台構成が基本です。各フロアの面積が広い場合(30坪以上)や、コンクリート造の場合はさらに追加が必要なこともあります。
Q. 中継器とメッシュWiFi、どちらを選ぶべきですか?
予算3,000~5,000円で手軽に対策したい場合は中継器、快適さと安定性を重視するならメッシュWiFiがおすすめです。フロアの移動が多い方やテレワークで安定した通信が必要な方はメッシュWiFiを選ぶほうが満足度が高いです。
Q. 新築の3階建てを建てる場合、事前にやっておくべきことは?
各フロアにLANコンセントを設置しておくことを強くおすすめします。新築時であれば1箇所あたり数千円程度の追加費用で設置でき、後から有線バックホールを活用した最高のWiFi環境が構築できます。
Q. WiFiの電波が特に弱い場所を特定する方法はありますか?
スマートフォン用の無料アプリ(WiFi Analyzerなど)を使えば、家の中の電波強度をリアルタイムで測定できます。各部屋の電波強度をマッピングすることで、中継器やサテライトユニットの最適な設置場所が見えてきます。

まとめ|3階建て住宅でもWiFiは快適にできる
3階建て住宅のWiFi問題は、ルーターの設置場所の最適化、中継器やメッシュWiFiの導入、そして必要に応じた回線の見直しという3段階のアプローチで解決できます。
最もコストパフォーマンスが高いのは、ルーターを2階の中心に移動する方法です。それでも改善しない場合はメッシュWiFiの導入を検討しましょう。記事執筆時点では、EasyMesh対応の製品が増えており、将来のユニット追加も柔軟に行えます。
また、建物の構造や建材の種類によっても最適な対策は変わります。WiFi Analyzerなどのアプリで自宅の電波状況を把握したうえで、ご自身の環境に合った対策を選んでみてください。WiFiルーターの選び方全般については、バッファローの電波の飛び方解説ページも参考になります。
3階建て住宅のWiFi対策まとめ
- まずやること:ルーターを2階の中心・高さ1~2mに設置
- 手軽な対策:WiFi中継器を電波の弱いフロアに追加
- 本格的な対策:メッシュWiFi(3台構成)の導入
- 最大の安定性:有線バックホール+メッシュWiFi
- 根本的な改善:IPv6対応の光回線への乗り換えも検討
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